労働政策審議会の第52回雇用環境・均等分科会(奥宮京子分科会長)は16日、新型コロナ対策の一環である小学校休業等対応助成金について、コロナが下火になったとして10~11月の間、日額上限を9000円から8355円、特例措置の同1万5000円を1万2000円にそれぞれ引き下げる厚生労働省の省令改正案を了承した。
また、フリーランス保護を目的にした新法制定について、厚労省から(1)企業はフリーランスとの契約を打ち切る場合、30日前までに予告する(2)業務終了後、60日以内に報酬を支払う(3)理由なく商品の受け取りを拒否したり、報酬を減額したりすることを禁止する――などの説明があった。
政府の調査では、フリーランス関連のトラブルは年々増えており、20年度は1332件、21年度は4072件に達し、今年度は8月時点で2826件に増えている。配送やシステム開発・ウェブ作成などの業種に多く、相談の内容は報酬支払いや契約内容についてが過半数となっている。
現行法では下請法によって資本金1000万円超の企業が規制の対象になるが、フリーランスに委託している企業の4割ほどは同1000万円以下の企業で対象外となっていることなどから、保護の網を広げるため官邸が中心となって新法作成を急いでいるもの。
しかし、この日の審議では、フリーランス問題について労政審の"出番"がないことから、労働者側委員から「分科会への報告のみで済ませるのは違和感がある。雇用関係がないとは言っても、フリーランスの"労働者性"の問題などについて議論すべきであり、実態に基づいて判断すべきではないか」との批判が出た。
このほか、...
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