マイナビが12日発表した2022年版「派遣社員の意識・就労実態調査」によると、「3年ルール」に該当した人の対応で最も多かったのは「無期雇用派遣となり、同一企業で派遣就業した」の37.7%で、次いで「雇用契約を満了し、別の仕事を探した」が28.7%となり、「派遣先の正社員になった」は4.7%、「派遣先の直接雇用となった」は6.4%だった。
「3年ルール」は15年の改正労働者派遣法で導入された制度で、同一企業の同一部署で3年就労した派遣社員は派遣先の正社員や無期雇用派遣など、雇用形態を変えて就労できるもの。派遣就労の雇用の不安定を緩和する措置として決まった。
「3年ルール」の該当者に自分の希望通りだったかどうか聞いたところ、「無期派遣」の58.8%が「希望した」と答えて最も多かったが、「契約満了で、別の仕事を探した」は35.6%に下がり、「希望したものではなかった」の36.6%を少し下回った。
今年は正社員志向が29.9%(前年比5.8ポイント増)に増えており、その理由は「ボーナスが欲しい」「雇用が安定している」が多く、同社は「長引くコロナ禍と物価上昇により、賃金待遇と雇用の安定を求めているため」と分析している。
調査は7月8~13日に実施し、20~59歳の派遣社員1400人から有効回答を得た。そのうち、「3年ルール」の該当者は703人。