厚生労働省は7日、2021年度「使用者による障害者虐待の状況」を発表した。それによると、虐待の通報・届け出のあったのは1230事業所(前年度比3.7%減)、対象になった障害者は1431人(同1.6%増)。このうち、労働局などの調査の結果、虐待が認められたのは392事業所(同2.2%減)、対象障害者は502人(同0.8%増)となった。
被害者の障害別(重複)では知的障害者が218人で最も多く、精神障害者が173人、身体障害者が92人など。虐待内容(重複)は賃金不払いなどの経済的虐待が420人でダントツに多く、心理的虐待が61人、身体的虐待が32人など。
2011年に障害者虐待防止法が施行され、施設の運営基準に「障害者虐待防止の更なる推進」の盛り込みが努力義務化されたことなどから、虐待件数など通報・届け出のあった事業所は18年度の1656事業所から、21年度は1230事業所に25%減少。対象障害者も17年度の1308人から、21年度は502人と6割以上減少した。