厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計の7月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたりの現金給与総額は37万7809円(前年同月比1.8%増)で7カ月連続のプラスだった。
しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(2020年=100)は115.6(同1.3%減)で、4月以降4カ月連続のマイナスとなった。エネルギー価格の高騰などによる物価上昇が本格化しているのに対して、賃金の上昇が追いつかない局面が7月も続いており、春闘の賃上げ効果はほとんどみられない。
就労形態別の現金給与額は、正社員が中心の一般労働者が50万828円(同1.7%増)、パートタイム労働者も10万6167円(同3.0%増)となった。残業代などの所定外給与が一般労働者は2万6281円(同4.5%増)、パート労働者も2800円(同11.5%増)と増えた。また、夏のボーナスが各15万5829円(同2.7%増)、5708円(同9.9%増)と増えた。
産業別の伸び率では、コロナの行動制限解除を受けて「夏休みレジャー」に備えた「飲食サービス等」が同13.0%増と6月に続いて二ケタ増となったが、それ以外はそれほど伸びなかった。「複合サービス」の同1.5%減など、16産業のうち4産業でマイナスとなった。
月間総実労働時間は139.8時間(同0.2%減)で、3カ月ぶりの減少。常用雇用者数は5162.8万人(同1.1%増)で、パートタイム比率は31.29%(同0.06ポイント増)だった。
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