厚生労働省が30日発表した2021年度「賃金不払い残業の是正結果」によると、労働基準監督署が監督指導した是正企業は1069社(前年度比7社増)となり、このうち1000万円以上の割増賃金を支払ったのは115社(同3社増)だった。
対象となる労働者は6万4968人(同427人減)で、割増賃金総額は65億781万円(同4億7833万円減)。1社あたり609万円、労働者1人あたり10万円となった。
業種別では製造業が196社で最も多く、次いで商業が183社、保健衛生業が158社。対象労働者では保健衛生業が1万6652人で最多となり、次いで製造業が1万1643人と前年度と入れ替わった。是正支払い額も保健衛生業が15億6740万円となり、製造業の9億5787万円を大きく上回った。
労基署による是正指導企業は17年度をピークに、毎年減少が続いていたが、21年度は全体に横ばい傾向となった。