厚生労働省によると、2022年度の最低賃金の引き上げを検討していた地方最低賃金審議会の答申が23日、出そろった。47都道府県で30~33円の引き上げで、全国加重平均は961円となった。前年から31円、3.3%引き上げられ、中央審議委が示した目安通りの結果となった。引き上げ額は1978年に目安制度が始まって以来の最高額。10月から順次実施される。
この結果、最高は東京都の1072円(前年比31円増)と神奈川県の1071円(同31円増)となり、大阪府が1023円(同31円増)と1000円台に乗せた。最低は沖縄県など10県の853円で、最高と最低の比率は79.6%(同0.8ポイント増)に縮小した。8年連続の改善だが、今年は沖縄などDランク県で目安を2~3円上回る答申が相次いだため。
最賃は昨年が28円、3.1%アップ、今年は31円3.3%アップと2年連続の大幅アップとなり、飲食・サービス業など最賃周辺企業の多い産業は原材料価格の高騰や人手不足などが重なり、経営は正念場に立たされそうだ。