厚生労働省が5日発表した今年の主要企業の春闘賃上げ要求・妥結状況によると、358社の平均賃上げ額は6898円、賃上げ率2.20%となり、コロナ禍前の2019年の6790円、同2.18%を賃上げ額、賃上げ率ともわずかに上回った。
最も高かったのは精密機器5社の9511円(同2.78%増)で、建設30社の9334円(同2.75%増)が続いた。最も低かったのは非鉄金属8社の3920円(同1.28%増)、次いで窯業6社の3979円(同1.39%増)。
賃上げ率は19、20年度まで2%台を維持していたが、21年度はコロナ禍で1.86%に落ち込んだ。今年はコロナ前まで回復したものの、2%台の物価上昇が続いていることから、毎月勤労統計調査によると実質賃金は4月から3カ月連続のマイナス。賃上げ効果でどの程度カバーできるかが焦点となっている。
対象は資本金10億円以上、従業員1000人以上の大企業。