厚生労働省が5日発表した毎月勤労統計の6月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたりの現金給与総額は45万2695円(前年同月比2.2%増)で6カ月連続のプラスだった。昨年3月以来9カ月連続のプラスが続き、12月に同0.4%減のマイナスとなったが、年明け以降は低水準ながら再びプラスの流れが途切れていない。
しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(2020年=100)は139.3(同0.4%減)で、4月の同1.7%減、5月の同1.8%減に続いて3カ月連続のマイナスとなった。エネルギー価格の高騰などによる物価上昇に賃金の上昇が追いつかない局面が続いている。
就労形態別の現金給与額は、正社員が中心の一般労働者が60万8617円(同2.5%増)、パートタイム労働者も10万8730円(同2.7%増)となった。5月と同様に、残業代などの所定外給与が一般労働者は2万5530円(同5.8%増)、パート労働者も2759円(同15.4%増)と増えた。また、一般労働者に集中する夏のボーナスが18万3590円(同3.1%増)に増えた。
産業別の伸び率では、「建設」が同12.8%増と最も高く、「運輸・郵便」も同11.8%増、「飲食サービス等」も同10.9%増と二ケタで増えた。16産業のうち13産業でプラスとなった一方、「電気・ガス」の同8.9%減など、3産業でマイナスとなった。
月間総実労働時間は142.4時間(同1.2%増)で、2カ月連続の増加。常用雇用者数は5151.6万人(同1.1%増)で、パートタイム比率は31.31%(同0.39ポイント増)だった。