厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会(藤村博之会長)の目安小委員会は1日深夜、2022年度の最低賃金(最賃)の引き上げ幅を全国加重平均で3.3%アップの31円とすることを決めた。引き上げ幅は過去最大で、現在の930円から961円に引き上げられる。
同委員会は一昨年、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮して目安を示せず、最終的には0.1%アップの1円にとどまった。昨年は反動で3.1%、28円の大幅アップを決めたが、今年も消費者物価の上昇で実質賃金がマイナスとなることが懸念されることなどから、2年連続の大幅アップに踏み切った。
これを受けて、都道府県ごとの審議会で引き上げ額を決定し、10月をメドに全国で新たな最賃が適用される。最賃は高い順からA~Dの4ランクに分かれ、現在、最も高い東京都は1041円、神奈川県も1040円の1000円台となっており、最も低いのは高知県と沖縄県の820円。
今回はA、B地域が31円、C、D地域が30円を目安に示しており、目安通りに決まれば地域格差は拡大することになる。