東京商工リサーチが25日発表した老人福祉・介護事業所の倒産は今年上半期(1~6月)で53件、負債総額149億8500万円となった。件数は前年同期より15件増え、最も多かった20年の58件、19年の55件に次ぐ3番目の多さ。負債額も同約9倍に跳ね上がった。
件数の内訳は訪問介護事業所が22件、通所・短期入所事業所(デイサービス)が17件、有料老人ホームが8件など。通所・短期入所事業所が同6件増と大幅に増え、有料老人ホームは前年のゼロから8件増えた。コロナ禍による利用者減と固定費の増大などで経営が行き詰ったとみられる。
介護報酬は21年に0.7%増、22年も10月から職員の月平均9000円アップが予定されているものの、コロナの影響が長引いているうえ、光熱費などの物価上昇も手伝って、厳しい経営を迫られている事業所が増加。同社は「年間では過去最多だった20年の118件を上回る可能性も出ている」と予想している。