厚生労働省が1日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.24倍となった。1月から5カ月連続の上昇で、昨年5月以降、2度の横ばいをはさんで13カ月連続の上昇基調が続いており、2015年後半と同程度の水準になっている。
企業側の有効求人数約240万人(前年同月比14.5%増)に対して、有効求職者数は約208万人(同1.7%増)と求人の伸びが求職者の伸びを大きく上回っている。都道府県別(就業地別)では福井県の2.05倍が最高で、最低は沖縄県の0.95倍。東京都と大阪府が1.00倍に伸び、1倍を下回ったのは沖縄県の0.95倍だけになった。
新規求人倍率は2.27倍で前月比0.08ポイントの大幅上昇。新規求人数(原数値)は前年同月比17.2%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同54.3%増、製造業が同23.9%増に増え、全主要11産業で増えている。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント増の0.98倍となり、1倍に達していないことから、求人倍率の伸びは非正規の伸びが大きいことによる可能性が高い。
5月完全失業率は2.6%、休業者2カ月連続減
総務省が1日発表した5月の就業者数は6730万人で、前年同月比17万人増と2カ月連続で増えた。完全失業者は191万人と同22万人の減少で、11カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇の2.6%で、3月と同じ水準になった。男女別では男性が2.8%、女性が2.4%で、男性は前月と同じ、女性は0.2ポイント上昇した。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5703万人のうち、正規従業員は3626万人で前年同月より39万人増、非正規従業員も2077万人で同5万人の増加となった。非正規率は36.4%。
非正規の内訳はパートが1006万人(同18万人減)、アルバイトが440万人(同24万人増)、派遣が155万人(同16万人増)、嘱託が114万人(同1万人増)、契約が282万人(同14万人減)だった。
一方、5月の休業者は164万人で前月比26万人減、前年同月比50万人減となり、2カ月連続で減少。コロナの収束傾向に伴う就労環境の好転をうかがわせる。