厚生労働相の諮問機関、中央最低賃金審議会(藤村博之会長)が28日開かれ、22年度の最低賃金改定の議論を始めた。具体的な改定額は「目安に関する小委員会」(藤村会長)において労使の代表者と有識者らが非公開で協議し、4回ほど議論して7月中にも都道府県別に引き上げ幅の目安を示す。
新型コロナによる企業活動の停滞を考慮して、20年は実質据え置きの平均902円としたが、昨年は3.1%増の930円に引き上げた。今年は景気回復の流れと足元の物価高で賃上げを求める声が例年になく強まる一方、世界経済の先行き不透明を背景に、賃上げに慎重な声もある。
7日に閣議決定した政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」では、賃金引き上げの必要性を強調し、同審議会に対して「引き上げ額については生計費、賃金、賃金支払い能力を考慮した議論」を要請している。また、かねてより「早期に1000円」を目指していることから、大幅引き上げの機運は高まっている。