厚生労働省が23日発表した5月の労働経済動向調査によると、労働者の過不足状況判断DI(「不足」の割合から「過剰」の割合を引いた数値)は、正社員が37ポイントで2月の前回調査から2ポイント低下した。
産業別では、前回と同様に医療・福祉が53ポイント(前回比2ポイント減)で最も高く、建設が49ポイント(同4ポイント減)、運輸・郵便が48ポイント(同3ポイント減)となり、前回より少しDI値は下がったものの、深刻な人手不足が続いている。最低は金融・保険の10ポイント(同0ポイント)で、12産業すべてで二ケタの不足が続いている。
パートタイムは28ポイント(同2ポイント増)となり、前回よりやや増えた。宿泊・飲食サービスが50ポイント(同1ポイント増)と最大で、その他サービスが43ポイント(同7ポイント増)で続き、"コロナ明け"に備えて人手の確保に苦慮している。
今年1~3月期に雇用調整を実施した企業は28%あり、前期比1ポイント増、前年同期比5ポイント減とやや落ち着いてきた。4~6月期は26%、7~9月期は19%と低減する予想だ。28%の雇用調整の内容は「残業規制」と「配置転換」が11%ずつで最も多かった(複数回答)。
調査は5月1~15日、30人以上の常用労働者のいる5780事業所を対象に実施し、2827事業所から有効回答を得た(回答率48.9%)。