東京商工リサーチが22日発表した第22回「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」によると、6月時点でテレワーク(在宅勤務などのリモートワーク)を実施している企業は29.1%で、同一設問を実施した第18回調査(21年10月)当時の37.0%を7.9ポイント下回った。
また、実施したが取りやめた企業は27.2%(同6.5ポイント増)に増え、これまで実施したことのない企業の43.5%を合わせると7割を超えている。各種調査では、テレワークを経験した社員の8割前後がテレワークでの就業を希望しているものの、同社は「企業にとって業績、労務管理、効率化などの評価がむずかしく、テレワークが浸透しきれない実状を反映している」と分析している。
ただ、企業規模によって実施率は大きく異なり、資本金1億円以上の大企業では57.0%が「実施中」なのに対して、同1億円未満の中小は24.4%に過ぎない。また、実施中の企業に従業員の何割が実施しているか聞いたところ、「1割」が25.3%で最も多く、次いで「2割」が13.9%、「3割」が11.1%。ただ、「10割」も14.9%あり、実施状況が二極化している状況もうかがえる。
こうした結果について、同社は「コロナ禍で隠れていた人手不足が顕在化するにつれ、労働環境の整備が遅れた企業は採用難に直結する恐れも出ている」と予測している。
調査は6月1~9日に実施、有効回答6472社について集計した。