パーソルホールディングスは7日、企業の「ITツール導入・活用に関する実態調査」結果を発表した。それによると、ITツール導入予算は約900万~4000万円で、導入した企業のうち6割以上が「生産性が向上した」と答えていることがわかった。
導入の多いのは「ウェブ会議システム」の56.2%を筆頭に、「勤怠・労務管理システム」と「給与計算システム」の各51.9%が多かった(複数解答)。今後、導入を検討しているのは「AI・IoTシステム」「電子サイン・電子契約システム」「RPA(業務自動化)」が多かった。
導入予算は企業規模によって大きく異なり、中小企業は約811万円、大手・中堅企業は約2259万円、超大手企業は約4088万円。中小はコロナ感染拡大以降は減少しているが、大手・中堅はコロナ化禍で一時減少したものの、この1年でコロナ以前を上回る規模となっている。
また、導入による生産性については、「とても向上した」が8.6%、「向上した」が56.5%で、合わせると65.1%に。「変わらない」が31.6%、「低下した」も3.3%あった。
導入時の課題として多かったのは「既存システムからの移管が難しい」の25.6%で、「従業員が使いこなせるかどうかわからない」の25.5%、「セキュリティーリスク」の23.9%などが挙がった(複数回答)。
同社は「ITツールをより効果的に活用するには、導入自体を目的とするのではなく、実現したい投資効果や具体的な成果など、導入後の展開を構想することが重要」とし、今後の中心課題としてはDX人材の育成と現場との連携を挙げている。
調査は4月8~11日に実施、全国の25~69歳の会社員1000人を対象にした。従業員500人~4999人を大手・中堅、500人未満を中小、5000人以上を超大手に区分している。