政府は31日、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って実施している雇用調整助成金(雇調金)と小学校休業等対応助成金について、6月末の期限を9月末に延長することを決めた。同日の参院予算委員会で岸田首相が表明し、それを受けて同日開いた労働政策審議会分科会で了承された。
雇調金は企業が従業員に支払う休業手当の助成措置で、現在は1人日額8300円の上限を1万5000円に引き上げている。休業等対応助成金も、コロナによる臨時休校などで子供の世話が必要になった保護者が有給休暇を取得する際、企業に1人日額1万5000円を上限に助成している。
ただ、コロナ収束が視野に入り、雇用情勢も回復しつつあることから、「雇調金の度重なる延長は労働移動の妨げになっている」などの批判も強まっており、政府も"撤収"時期を探っているものの、今回は判断を先送りする結果となった。