東京商工リサーチが16日発表した雇用調整助成金(雇調金)調査によると、20年4月から今年3月末までに雇調金の特例措置を利用した上場企業は累計845社、合計額は7945億1340万円になった。
同調査は11回目で、21年9月末時点の前回から半年で16社、約2115億円増えた。2期連続で雇調金を計上したのは半数の423社あった。
業種別では製造業が329社、約1322億円で利用社数として最も多く、次いで外食を含む小売業が164社、約2128億円、観光などのサービス業が159社、約1401億円。計上額で最も多いのは航空・鉄道を含む運送業の50社、約2442億円。
雇調金については今年1月から特例措置の段階的縮小が始まり、政府は7月以降に特例措置の中止も視野に入れている。このため、同社は「小売りや交通インフラを中心に業績回復が急がれ、雇調金に支えられてきた企業では今後、人員削減や採用抑制が懸念される」と雇用への波及の可能性を予想している。