労働政策審議会労働条件分科会(荒木尚志分科会長)は27日、キャッシュレス化の促進や多様な賃金支払いのニーズに対応する「賃金デジタル払い」のあり方について、前回(3月26日)に続いて課題の整理を進めた=写真。また、この日は4月上旬までにそれぞれの有識者検討会が取りまとめた(1)「無期転換ルールと多様な正社員」のあり方(2)「解雇無効時の金銭救済制度」の法技術的な考え方(3)「自動車運転者の労働時間基準」に関するあり方――の報告書が示され、今後の取り扱いを協議した。
(1)の労働契約法の「無期転換ルールと多様な正社員」のあり方は、労働契約法第18条の規定に基づく有期「通算5年」で無期転換の権利獲得などについて、今後のあるべき方向性を示したもの。昨年3月から1年がかりで、7人の有識者が取りまとめた。
(2)の「解雇無効時の金銭救済制度」の法技術的な考え方は、無効な解雇救済の選択肢を増やす観点から「申し立ては労働者に限定。金銭支払いによる解雇を許容するものではない」などとする報告書。検討会は2018年6月に設置され、約4年にわたる長丁場の議論を経て着地に漕ぎつけた。
(3)の「自動車運転者の労働時間基準」に関するあり方は、トラックなどの自動車運転手の長時間労働是正の観点から、昨年4月、専門委員会やハイヤー・タクシー作業部会・バス作業部会・トラック作業部会を設置して検討した。
このうち、注目される「解雇無効時の金銭救済制度」の今後の取り扱いについては...
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