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2022年4月11日

「解雇無効時の金銭救済」で報告書、厚労省の有識者検討会 4年にわたる議論終結、舞台は労政審へ

 厚生労働省の有識者会議「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」は11日、第17回会合を開き、無効な解雇救済の選択肢を増やす観点から「申し立ては労働者に限定。金銭支払いによる解雇を許容するものではない」などとする報告書をまとめた。2018年6月に設置された同検討会は、約4年にわたる長丁場の議論を経て、着地に漕ぎつけた格好。今後は舞台を労働政策審議会に移し、制度導入の有無を含めて検討を進める見通しだ。

n220411.jpg このテーマは、「必要・容認論」と「不要・否定論」が真っ向からぶつかる日本の労働政策、法制上の課題だ。雇用の柔軟化・流動化を促す方策として肯定的に捉えられる一方で、「カネでクビ切り」との批判もあって賛否が割れる。第2次安倍政権発足直後の2013年から議論を活発化させ、新制度として法制化を目指している政府だが、本格的に労政審の俎(そ)上に載せることができないまま現在に至っている。

 報告書では冒頭、「仮に制度を導入する場合に、法技術的に取り得る仕組みや検討の方向性に係る選択肢を示すもの」と明記。法技術的論点について、(1)形成権構成および形成判決構成について(2)権利の法的性質等(3)労働契約解消金の性質等(4)各請求との関係について(5)労働契約解消金の算定方法等(6)有期労働契約の場合の契約期間中の解雇・雇い止め(7)本制度の対象となる解雇等の捉え方――の7つの視点から整理している。

 このうち...


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