東京商工リサーチが8日発表した2021年度の全国企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、倒産件数は5980件(前年度比16.5%減)、負債総額は1兆1679億7400万円(同3.3%減)となった。コロナ関連の金融政策に支えられた結果、件数は2年連続の減少で1964年度の4931件以来、57年ぶりの低水準。負債額も4年連続の減少で、73年度の約9056億円に次ぐ48年ぶりの低水準だった。
最大の倒産はホテル経営の東京商事の負債額1004億8300万円。ただ、同1億円未満の倒産が4466件と全体の75%を占め、上場企業の倒産はなかった。コロナ関連は1770件で同1.5倍と大きく増えた。
産業別件数では前年度と同様に、宿泊などを含む「サービス業他」が最も多い1972件で、「建設業」の1105件、「卸売業」の803件、「小売業」の708件などが続いた。ただ、いずれも前年度より減少している。
一方、負債額1000万円未満の倒産件数も456件(同25.9%減)となり、14年度以来、7年ぶりに減少した。このうち、コロナ関連は96件。業種別では「飲食業」の70件が最多。原因は「販売不振」が330件で最も多かった。