連合は1日、「非正規雇用で働く女性に関する調査2022」の結果について記者会見した。それによると、非正規女性の年収は平均約168万円で、5年前の17年当時の約140万円を上回った。しかし、経済的に「ゆとりがない」と答えた人は66.9%で前回の70.8%から3.9ポイント程度しか減っておらず、非正規の置かれる厳しさに大きな変化のないことをうかがわせる結果となった。
年収帯別では、最も多いのが「100万円~199万円」の35.0%で、次いで「100万円未満」が31.1%となり、200万円未満で7割近くを占めている。これを反映して、感じている不安(複数回答)は「生活の維持・収入」が57.6%の最多で、「老後の生活」の54.8%、「健康」の38.7%の順。前回調査の老後、健康、収入の順から順位が入れ替わっており、コロナ下の生活不安を浮き彫りにしている。
一方、職場における男女差別について聞いたところ、34.7%が「ある」と答え、具体的には「仕事への割り振りや配置」(45.0%)、「昇進・昇給の速度」(38.3%)、「リーダー職への登用」(24.5%)などが多かった(複数回答)。
また、「女性活躍」については、49.9%が「仕事と育児の両立を女性だけに求めること」に疑問を感じており、「非正規女性の働き方に目を向けてほしい」(32.7%)、「制度があっても知る機会がない」(28.2%)などを挙げる人が多かった(複数回答)。1項目のうち7項目で前回より比率が上がっており、当事者女性の意識が高まっていることをうかがわせるものの、制度の周知面などが大きな課題になりそうだ。
調査は2月8~10日実施し、20~59歳の非正規就労の女性1000人の回答を集計した。6割がパートタイマーで、業種は販売・接客・サービス職が43%、週あたり労働時間は20~30時間未満が21%で最も多い。配偶者の有無は半数ずつ。