厚生労働省が31日発表した2020年度「職業紹介事業報告」(速報、2万6208事業所)によると、民営の新規求職申し込み件数は約1735万件(前年度比14.3%減)、常用求人数は約865万件(同1.5%減)、就職件数は約64万件(同13.0%減)となった。
手数料収入は約5240億円(同10.8%減)と11年ぶりの減少となり、10年続いた転職市場の好況から、新型コロナウイルスの感染拡大により、一転して市場は大幅に縮小した。
有料紹介による常用労働者の就職件数を職業別にみると、最大の「一般事務」が5万7038件(同19.6%減)となったのをはじめ、「介護サービス」が5万4432件(同14.0%減)、「看護師」も4万9260件(同12.7%減)、「営業」が4万8859件(同12.1%減)など、多くの職種で大幅減となった。
一方で、医師は1万5958件(同2.3%増)、保育士が2万4877件(同5.4%増)、保健師・助産師が1万1252件(同47.3%増)、社会福祉専門業が2万978件(同14.1%増)など、コロナ下で緊急に必要とされた職種が大きく増えた。
また、臨時日雇い延べ就職件数は約948万件(同46.7%減)と半減近くまで落ち込んだ。