参院本会議は30日、雇用保険料の引き上げを柱とする改正雇用保険法などを賛成多数で可決、成立した。現在、賃金の0.9%を労使で負担しているが、4~9月に0.95%、10月~23年3月に1.35%へ段階的に引き上げる。
新型コロナ対策の雇用調整助成金の原資として同保険料の積立金を充てていたが、雇調金の規模拡大と長期化で原資が枯渇する可能性が高まったため、料率引き上げに踏み切った。政府は雇調金と休業支援金の実施を6月までとし、7月以降については新型コロナの感染動向などをみながら、5月末に決める方針。
厚生労働省によると、4~9月は労働者の0.3%負担は変わらないが、企業負担が0.6%から0.65%に引き上げられ、引き上げ分は同保険の2事業(雇用安定、能力開発)に充てる。10月~23年3月は労働者負担が0.5%に、企業負担も0.85%に引き上げられ、引き上げ分は失業給付や育児休業給付と2事業に充てる。農林水産業、建設業などの企業はさらに料率が上乗せされる。
また、この日は求人メディアの「届け出制」導入などを盛り込んだ改正職業安定法も可決、成立した。改正法はインターネット上で求人情報を提供する企業に国への届け出や正確な情報発信を義務付けた。また、事業概況報告書の作成と提出を求め、悪質企業には行政処分を科す。