2022年春闘は16日、大手企業の集中回答日を迎えた。メーカーではトヨタ自動車がすでに労組要求通りの一時金6.9カ月の満額回答しており、同業他社や電機業界でも満額回答が相次ぐなど、昨年を上回る水準となっている。ウクライナ情勢などの不安要素はあるものの、新型コロナウイルスの感染後を見据えた企業側の積極姿勢が浮かび上がっている。連合は今回、定期昇給とベアを合わせた賃上げ目標を「4%程度」としたが、今年は達成できる可能性が出てきた。
自動車ではトヨタ以外にも日産がこの日、労組要求通りの賃上げ額月8000円と一時金5.2カ月、ホンダもベースアップ(ベア)3000円と一時金6カ月の満額回答をした。ホンダは昨年、労組が8年ぶりにベア要求を見送ったが、今年は復活した。マツダは賃上げ額7000円と一時金の5カ月+3万円の満額回答。ダイハツ工業は賃上げ額を要求より1000円少ない6700円、一時金を要求通りの5.5カ月で回答した。
一方、電機も日立、NEC、東芝が電機連合の要求額のベア3000円に対して満額解答し、富士通は要求の半額にあたるベア1500円を回答。鉄鋼は2年ごとの交渉だが、今年は日本製鉄など3社とも22年度はベア3000円、23年度は同2000円を回答した。