厚生労働省が4日発表した1月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.03ポイント上昇の1.20倍となった。都道府県別(就業地別)では福井県の1.97倍が最高で、最低は沖縄県の0.85倍だった。
求人倍率は20年9月の1.04倍を底に徐々に上昇を続け、21年前半は1.10倍前後、後半は1.15倍前後で推移したが、昨秋から人手不足が再び顕在化し、10月以降はジワジワ上昇していた。
新規求人倍率は2.16倍で前月比0.03ポイント低下。新規求人数(原数値)は前年同月比14.6%増で、産業別では宿泊・飲食サービス業が同38.8%増、製造業が同38.5%増、情報通信業が同24.7%増、その他サービス業が同18.7%増と大きく伸び、昨年12月と同様に主要11産業の全てがプラスとなった。
また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント増の0.91倍となった。
1月完全失業率は2.8%、休業者が再び急増
総務省が4日発表した1月の就業者数は6646万人で、前年同月比32万人減、4カ月連続の減少となった。完全失業者は185万人と同14万人の減少で、7カ月連続の減少となった。
この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント増の2.8%となり、2カ月ぶりの上昇。男女別では男性が3.0%、女性が2.4%で、男性は前月から0.1ポイント上昇、女性は横ばいだった。
形態別雇用者数では役員を除く雇用者5620万人のうち、正規従業員は3554万人で前年同月より27万人減り、非正規従業員も2067人で同水準だった。非正規率は36.8%。非正規で減ったのはパートの1007万人(同5万人減)と嘱託の111万人(同4万人減)で、アルバイトは450万人(同4万人増)、契約社員が278万人(同4万人増)、派遣社員が137万人(同水準)に増えた。
一方、1月の休業者は249万人となり、前月比59万人増、前年同月比4万人増となった。昨年10月から3カ月連続で前年を下回る200万人台以下が続いていたが、再び200万人台を超えた。オミクロン株対策でほぼ全国に適用されたまん延防止等重点措置の影響が現れたとみられる。