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2022年2月17日

求人情報「新形態サービス」の事業者、「スポットワーク協会」を設立

 働く人と雇用主をマッチングする「プラットフォーマー」の事業者大手が17日、「一般社団法人 スポットワーク協会」を立ち上げた。短時間・単発の自由で効率的な働き方のニーズが高まる中、多様化する雇用仲介の「新形態サービス」事業者として、労働者保護や適正な就業管理、プラットフォーマーの適正化を推進。業界を取り巻く課題に向き合い、「就労環境の保全」と「健全な市場成長」を目指す。

n220217.jpg 同日開かれた設立総会では、理事長に米田光宏氏(ツナググループ・ホールディングス社長)が選出されたほか、理事には鎌田耕一氏(東洋大名誉教授)、上土達哉氏(LINE HRサービス事業部長)、大友潤氏(シェアフル社長・パーソルイノベーション取締役執行役員)、武井繁氏(HRソリューションズ社長)が就いた。監事は、中野雅之氏(弁護士)が務める=写真

 AIやITなどの進化に伴い、雇用仲介サービスには職業安定法に位置づけられた職業紹介や既存の求人メディア以外にも、求人情報を集約化するアグリゲーターや人材データベース、SNS、スポットマッチング、クラウドソーシングなど、伝統的なイメージを超える多様なサービスが台頭している。こうした流れの中で、働く側のリスク、雇用側の責務、税と社会保障の3方向から事業者として課題解決に主体的に取り組む方針だ。

 設立総会後の記者発表会で米田理事長は、「スポットワーク」の定義やワーカーの推移と特徴などを説明したうえで、「われわれ求人情報提供事業者、プラットフォーマーとしての適正化を進めて健全な市場形成が実現できるよう、業界全体の品質向上を自ら目指す」と強調。「新たなイノベーションであるスポットワーク領域の事業者が主体的に取り組むことで、しっかりと成長を生み出していく」と力を込めた。続いて、理事・監事が、協会発足への思いや課題意識、抱負などを一人ずつ披露した。

 同協会の試算によると、コロナ前に300万人弱だったスポットワーカーは、2025年に500万人を超える見通し。スポットワークには、短期の雇用契約を結ぶ「雇用型」と、雇用契約を結ばない「業務委託型」に大別されるが、同協会は当面、「雇用型」に課題意識を持って活動し、将来的にフードデリバリーなどのギグワークの職場保全なども視野に入れていく。


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