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2022年1月26日

アドバンスニュース大野報道局長が職安法改正案を解説、人材協の新年オンライン講演会

 日本人材紹介事業協会(渡部昭彦会長)は26日、2022年の新年オンライン講演会を開いた。渡部会長は「企業は従来の雇用形態にこだわらず、労働者は自らのキャリアを考えるという人材市場の構造変化が起きている。雇用仲介機能は今後、重要性をさらに増し、今年はそのスタートの年になる」と挨拶した。

 厚生労働省の篠崎拓也需給調整事業課長が「職業紹介事業等の現状と課題」と題して講演。篠崎氏は今国会に提出する職業安定法や職業能力開発促進法の改正案などの内容を中心に説明。人材サービスの多様化に伴う求人メディアの届け出制などを盛り込んだ背景を解説する一方、政府が推進する能力開発やリカレント教育などの人材政策についても言及し、人材ビジネスを取り巻く環境に大きな変化が訪れていることを強調した。

 次いで、アドバンスニュースの大野博司報道局長が「報道視点から読み解く職安法・2022年改正~紹介事業者が備えるべき着眼点」と題して講演した。大野氏は、今回の職安法改正案の目的と経緯について、同社がこの1年間つぶさにウォッチしてきた記事内容を再構築して解説した。

 昨年1月から始まった有識者による「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」の議論と報告書作成、それを受けて労働政策審議会で審議された労使の主張などを紹介しながら、改正法案に求人メディアの「届け出制」を盛り込んだ理由を詳述。そのうえで、「ユーザー目線に立てば、従来の紹介事業者も新興の求人メディアも同じであり、今後は両者が共存する時代になる」と結んだ。

 質疑応答では、渡部会長が「法改正は結局、規制強化になるのではないか」と質問。大野氏は「届け出制の導入により、参入時の"入り口"で紹介事業の許可制か、求人メディアの届け出制かの適用判断ができるので、将来を見据えた段階規制としては適当」と答えた。

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