全国求人情報協会は25日、2020年度の求人情報提供サービス(求人メディア)市場規模調査の結果を発表した。それによると、市場規模は4150億円で、新型コロナウイルス感染拡大前の19年度に比べて45.9%減とほぼ半減した=グラフ。一方で、この数字に含まれていないソーシャルリクルーティングやアグリゲーター、クラウドソーシングといった「新形態サービス」の市場規模は1886億円で同69.1%増と急伸している。コロナ禍の影響だけでなく、サービス形態の変化も浮き彫りとなった。
同調査は、全求協が全国663社の求人情報提供事業者に対して実施し、同協会の独自調査の結果を踏まえて求人情報提供サービスの市場規模(推計含む)をとりまとめている。調査期間は昨年10月。
台頭する「新形態サービス」を巡っては、厚生労働省が労働市場整備の一環として実態把握と適切な指導監督を狙いに、年内に「届け出制」導入などを含む職業安定法の改正を進める方針。改正の方向性は、規制強化の側面だけでなく、「イノベーションを阻害しない」ことに留意し、需給調整の一翼を担う事業者と位置付ける。
このほか、21年の年間求人広告掲載件数は、合計で1089万209件となり、20年と比べて54万1093件(4.7%)減った。昨年2月には同46.3%減まで落ち込み、5月以降はプラスに転じたものの、断続的な緊急事態宣言で一進一退の動きとなった。雇用形態別では、全体として5月からプラスに転じたが、全体の7割を占める「アルバイト・パート」がコロナ禍の影響を強く受けた格好。「正社員」はコロナ禍前のダウン傾向から一転して、ウィズコロナにおけるエッセンシャルワークやテレワーク可能な広告などの件数が伸びたことから、年間前年比はプラスで着地した。