連合総研(古賀伸明理事長)は24日、シンポジウム「外国人労働者の受け入れと多文化共生社会の形成に向けて」をオンラインで開いた。昨年秋、山脇啓造・明治大教授を中心にまとめた調査研究報告書を受けたもの。
この日は早川智津子・佐賀大教授が技能実習制度と特定技能制度、山脇氏が多文化共生社会の形成に向けた体制整備、近藤敦・名城大教授が人権保障と共生社会づくりについて、それぞれ現状と課題を述べた。
早川氏は、外国人労働者の適正な受け入れには出入国管理法と労働法の一元化が必要と指摘し、現行の労働施策総合推進法の中の「外国人雇用管理指針」の法律への格上げを提言。山脇氏は、欧州で考案されたMIPEX(移民政策指数)で日本は56カ国中37位(2020年)の低位にあることを指摘し、「共生社会の実現に向けた法整備が必要」と述べた。近藤氏は、日本では外国人の権利について教育、政治参加、差別禁止の分野で遅れが目立つと述べ、「共生法と差別禁止法が車の両輪になる」と強調した。