厚生労働省が7日発表した毎月勤労統計の昨年11月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は28万398円(前年同月比0.0%)で20年10月と同水準だった。実質賃金指数(2015年=100)は86.0(同1.6%減)と3カ月連続のマイナスで、物価上昇に賃金の伸びが追い付いていない状況が続いている。名目賃金は10月まで8カ月連続のプラスを続けていたが、伸び率は月ごとに鈍化しており、11月にストップした。
就労形態別では、正社員が中心の一般労働者が36万4726円(同0.2%増)、パートタイム労働者が9万9281円(同0.5%増)。残業代などの所定外給与が一般労働者の2万6043円(同3.6%増)に対して、パート労働者は2518円(同6.8%減)というパートの減少傾向は続いているが、落ち込み率は縮小している。
産業別の伸び率では、「不動産・物品賃貸」の同3.7%増が最も高く、「飲食サービス」の同3.3%増が続いているが、「情報通信」が同5.2%減となるなど、16産業中7産業がマイナスだった。
月間総実労働時間は139.3時間(同0.9%増)で、3カ月ぶりのプラス。常用雇用者は5221.9万人(同1.2%増)で、パートタイム比率は31.87%(同0.35ポイント増)となった。