リクルートワークス研究所が22日発表した2023年3月卒業生の採用見通しによると、大学・大学院卒者の採用が前年より「増える」企業は10.9%(前年比3.2ポイント増)、「減る」企業は3.9%(同7.7ポイント減)となり、「増える」から「減る」を引いた"採用DI"はプラス7.0ポイントと、昨年のマイナス3.9ポイントから一転してプラスとなった。新卒採用は人手不足を背景に12年卒以降10年連続のプラスが続いていたが、昨年は新型コロナの先行きが見通せないことから、様子見の企業が増えてマイナスとなった。しかし、今年は"コロナ後"を見据えて採用増に動く企業が増えることがわかった。
業種別(中分類)でDIが高いのは「飲食・宿泊業」の14.0ポイントで、「情報通信業」の10.9ポイント、「機械器具製造業」の10.6ポイントが続いている。「教育・学習支援業」を除く13業種すべてでプラスとなった。「飲食・宿泊業」は昨年のマイナス15.7ポイントから大きくプラス転換したものの、コロナ前の水準には至っていない。
企業規模別でも、従業員1000人以上の大企業のDIがプラス14.3ポイント(前年マイナス3.6ポイント)で、1000人未満の中堅企業もプラス4.5ポイント(同マイナス4.0ポイント)とプラス転換している。
焦点となっている初任給の引き上げについては、「すでに取り組んでいる」企業が21.8%、「今後取り組む予定」の企業が22.7%あり、合わせると44.5%が引き上げる。しかし、過半数の55.5%は「取り組む予定はない」と答えており、慎重な企業の多いことをうかがわせた。
調査は従業員5人以上の7200社を対象に10~11月に実施、4519社から回答を得た(回答率62.8%)。
【関連記事】
22年の大卒採用、「減る」が「増える」を上回る
コロナ禍で慎重姿勢に、リクルートワークス調査(2020年12月23日)