厚生労働省が21日発表した2021年上半期(1~6月)の雇用動向調査によると、入職率は8.6%(前年同期比0.1ポイント増)、離職率は8.1%(同0.4ポイント減)となり、0.5ポイントの入職超過となった。コロナ禍の長期化で離職を見合わせる労働者が増えたため、とみられる。
上半期の入職者は4444.9千人、離職者は4167.8千人で、入職者が277.1千人上回り、年初の労働者数に対する入職率は8.6%、離職率は8.1%。男女別では男性が各7.7%と7.4%、女性が各9.8%と8.9%で男女とも入職超過。就業形態別では一般労働者が各7.1%と6.3%、パートタイム労働者が各12.7%と12.9%となり、パートは離職超過となっている。
産業別で入職者が最も多かったのは「医療・福祉」の764.5千人で、「卸・小売業」が684.6千人、「宿泊・飲食サービス業」が594.7千人で続いた。これに対して離職者は「宿泊・飲食サービス業」が771.1千人で最も多く、「医療・福祉」が670.0千人、「卸・小売業」が653.3千人で続いており、三つの産業の労働者の入れ替わりの激しさを示している。
調査は6~8月、5人以上の常用労働者を雇用する全国1万5477事業所を対象に実施し、9030事業所から有効回答を得た(回答率58.3%)。