日本人材紹介事業協会が29日発表した2021年度上半期(21年4月~9月)の会員大手3社の転職紹介実績(速報値)によると、転職紹介人数は3万7968人(前年同期比8.5%増)となったが、新型コロナウイルス感染拡大が転職市場を直撃する前の19年同期比では同9.4%減にとどまっている=グラフ。
調査に協力しているのは、同協会会員企業のジェイ エイ シー リクルートメント、パーソルキャリア、リクルートキャリアの3社。約10年間の推移をみると、リーマン・ショックの影響で大幅に落ち込んだ09年度下半期(1万853人)を底に復調を維持し、その後は空前の活況モードに移行。新型コロナの影響が出始めた19年度下半期もかろうじて前年同期比プラスをキープしたが、20年度上半期はリーマン以来のマイナスに転じた。
21年度上半期の業界別(首都圏)では、対象の6業界のうち、「コンシューマー(飲食、旅行、サービスなど)」は7281人(同15.6%増)、「建設・不動産」が2524人(同13.8%増)、「電機・機械・化学等製造」が4851人(同9.7%増)、「IT・通信」が6167人(同6.0%増)、「メディカル」が2225人(同12.0%増)と増加。唯一、「金融」だけは1962人(同4.2%減)とマイナスになった。
地域別では、「首都圏」が2万5028人(同9.7%増)、「北海道・東北エリア」が876人(同17.4%増)、「九州エリア」が974人(同3.9%増)、「関西圏」は6295人(同5.0%増)、「中部圏」は3775人(同5.8%増)、「中国・四国エリア」が1009人(同10.2%増)と全エリアで増加した。
求職者の転職時の年齢は、「25歳以下」、「26~30歳」、「31~35歳」、「36~40歳」、「41歳以上」のすべての年齢層で増加した。人数で最も多かったのは「26~30歳」の1万3032人(同10.5%増)、次いで「25歳以下」7892人(同12.1%増)、「31~35歳」の7092人(同4.2%増)、「41歳以上」の5710人(同8.8%増)、「36~40歳」の4242人(同3.8%増)と続いた。