多種多様に進化する雇用仲介サービスのあり方を議論している労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)は10日、これまでに整理した4つの論点に沿って各論に踏み込んだ=写真。新形態サービスを含む募集情報等提供事業者(求人メディア)を把握する仕組みとして、労使委員からは「届け出制」や、紹介事業など既存の法規制と同等程度となる「許可制レベル」にする案も挙がった。このほか、労働市場整備に向け、今回の職業安定法改正で着手する具体的な項目や対応の方向性も明らかとなり、議論は一気に佳境に入った。
基本的な考え方や市場整備の方策などにおいて、労使の間で大きな隔たりはなく、年末に向けて建設的な議論が展開される見通し。この市場整備は、求人メディアのみならず、派遣・紹介などを含む人材サービス業界全体に「新たな枠組みと変化」をもたらす公算が高い。
AIやITなどの進化に伴い、雇用の"仲介的サービス"には職安法に位置づけられた職業紹介や求人メディア以外にも、求人情報を集約化するアグリゲーターや人材データベース、SNS、スポットマッチング、クラウドソーシングなど、伝統的なイメージを超える多様なサービスが存在。入職経路として若者を中心に活用が広がっており、こうした「新形態サービス」の実態把握は的確な雇用政策を打ち出すうえで欠くことのできない状況にある。
「労働市場の整備」という観点からも見過ごせず、許可事業として職業紹介を運営している事業者や、「適合メディア宣言」に参画している求人メディアといった既存の事業者の外にいるサービス運営者への「新たなルールづくり」が焦点のひとつとなっている。
これまでの議論を踏まえ、同部会では(1)新たな形態も含めた雇用仲介事業者を需給調整機能の一翼を担うものとして位置づけ、官民の連携を進めていくことをどう考えるか(2)特に、募集情報等提供事業者の位置づけと役割をどう考えるか(3)優良な雇用仲介事業の認定についてどう考えるか(4)求職者保護の観点から、募集情報の的確性や個人情報の取り扱い、苦情への対応をどう考えるか――の4つの論点を提起。この日は、これに沿って各論を展開した。
法的位置づけに関して...
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