アデコが28日発表した「副業・複業に関する企業管理職調査」によると、社員の副業・複業を認めている企業は37.2%(2018年比14.4ポイント増)、禁止している企業は51.8%(同14.5ポイント減)となり、3年前に比べて副業・複業を容認する企業が増えたものの、まだ過半数の企業が認めていないことが明らかになった。
容認企業に理由を聞くと、「本人のスキルアップにつながる」が50.0%(同17.2ポイント増)で最も多く、「イノベーションや新事業創出につながる」の34.2%(同7.5ポイント増)、「社員の収入増につながる」の30.5%(同3.8ポイント増)などが続いた(複数回答)。
禁止企業に今後に向けた考えを聞いたところ、「認める方向で検討中」が2.7%、「一定の懸念が解消されれば、認めることを検討する」が14.4%で、合わせて17.1%(同7.9ポイント増)と3年前よりは増えているものの、「認めない」が29.2%(同4.8ポイント減)、「決まっていない」が22.0%(同0.1ポイント増)あり、依然として消極派企業が多い。
一方で、日本企業の間で今後広がるかどうか聞いたところ、72.9%が「広がると思う」(同3.1ポイント増)と答えており、世の趨勢は拡大を予想するものの、自社については否定的な管理職の多いことがわかった。
こうした結果について、同社は「社員は副業・複業を通じて、⼀企業では得ることができないキャリアや経験を獲得することが可能となり、人生100 年時代を⽣き抜く⾃律的なキャリアの構築にも役⽴つ。企業は、柔軟な働き⽅や組織のあり⽅について⼀層の理解を深めることが必要」と解説している。
調査は9月9日~13日に実施、上場企業の管理職510人の回答を集計した。