東京商工リサーチは20日、上場企業など9039社に対する「早期退職制度」に関する調査結果を発表した。それによると、早期退職やセカンドキャリア制度について、89.6%の大多数にあたる8000社以上が「導入しておらず、今後も検討予定はない」と回答し、「すでに導入済み」の349社(3.8%)、「導入を検討中」の591社(6.5%)を合わせても940社(10.3%)の少数だった。
しかし、企業規模別では大企業の11.2%が「コロナ前から導入済み」だったのに対して、中小企業はわずか1.9%だった。ただ、「検討中」は大企業が7.2%、中小企業が6.4%と拮抗しており、今後、中小にも広がる可能性を示唆している。
「導入済み」の企業に対象年齢を聞いたところ、「55歳以上」が127社で最も多く、「50歳以上」が68社、「45歳以上」が36社。「全年齢を含む29歳以下」も25社あった。海外企業の人事政策の影響が強い外資系や製薬メーカーなどが多かった。
同社は「早期退職・セカンドキャリア制度の導入は、企業側が拙速に進めるのではなく、働く人の将来設計にも寄り添いながら進める、といった慎重な検討が求められる」としている。調査は1~11日に実施。資本金1億円以上を大企業、個人企業を含む同1億円未満を中小企業に分類している。