多種多様に進化する雇用仲介サービスのあり方を議論している労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)は19日、前回(9月13日)に引き続き、議論を続行=写真。今後の論点については「募集情報等提供事業者(求人メディア)の位置付けと役割をどう考えるか」など4つを挙げ、多面的な角度から方向性を深掘りしていくことを確認した。来年の職業安定法の改正につながる議論で、人材サービス業界全体に「新たな枠組みと変化」をもたらす動きとなる。年末にかけて開催ペースをあげていくとみられる。
AIやITなどの進化に伴い、雇用の"仲介的サービス"には職安法に位置づけられた職業紹介や求人メディア以外にも、求人情報を集約化するアグリゲーターや人材データベース、SNS、スポットマッチング、クラウドソーシングなど、伝統的なイメージを超える多様なサービスが存在。入職経路として若者を中心に活用が広がっており、こうした「新形態サービス」の実態把握は的確な雇用政策を打ち出すうえで重要となっている。
「労働市場の整備」という観点からも見過ごせない状況にあり、許可事業として職業紹介を運営している事業者や「適合メディア宣言」に参画している求人メディアといった既存の事業者ではなく、「新形態サービス」の新たなルールづくりが焦点となる見通しだ。
この日は、これまでの議論を踏まえて(1)多種多様な雇用仲介事業が展開されている中で、新たな形態も含めた雇用仲介事業者について労働市場において需給調整機能の一翼を担うものとして位置づけ、官民の連携を進めていくことについてどう考えるか(2)特に、求人メディアの位置づけと役割についてどう考えるか(3)優良な雇用仲介事業の認定についてどう考えるか(4)求職者の安心を確保し、自らが理解・納得して雇用仲介事業者を利用できる環境を整備していくに当たって、募集情報の的確性や個人情報の取り扱い、苦情への対応等についてどう考えるか――の4つの論点で検討することを確認。この中で...
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