東京商工リサーチが8日発表した2021年度上半期(4~9月)の企業倒産(負債1000万円以上)は2937件(前年同期比23.9%減)、負債総額は5746億2600万円(同4.1%減)となり、件数、負債額とも前年同期を下回った。件数は1972年以降で、90年の3070件をさらに下回り、最少を更新した。負債額も73年の3631億円に次ぐ過去3番目の低水準だった。政府、自治体、金融機関などの支援策が奏功したとみられる。
業種別では、件数が最も多かったのはサービス業他の986件で、建設業の527件が続いた。負債額ではサービス業他が約2400億円で最も多く、卸売業が約953億円、製造業が約947億円で続いた。最大の倒産はホテル経営の東京商事(東京都)の負債額約1005億円だった。新型コロナの関連倒産は816件で、前年同期の495件から大きく増えた。
コロナ関連の累計件数は2100件で、負債1000万円未満の114件も合わせると2214件に。2月以降、毎月100件を超える"コロナ倒産"が発生しており、9月は過去最高の160件に達している。同社によると、コロナ禍の長期化による"息切れ倒産"や法的整理を選択する企業などの増加も見込めることから、件数は今後も高水準で推移するとみている。