東京商工リサーチは30日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた催事場・コンサートホール138社の業績調査を発表した。それによると、約半数の70社が2020年度決算で最終赤字を計上し、コロナ前の2倍近くに増えたことがわかった。
138社の20年度売上高は5325億2200万円(前年比25.3%減)、最終利益は379億9600万円の赤字(前年は340億7300万円の黒字)となり、約半数の70社が赤字に。コロナ前の18年度の36社から1.9倍に膨れ上がった。とくに、集客力の大きい都心部の大型施設の落ち込みが顕著で、稼働率はコロナ前の7割以上落ち込んだ。
138社のうち、減収減益は84社、減収増益は40社で、増益企業は催事件数の減少などに対してコスト削減などのスリム化で対応した企業が多かった。
10月1日に全国で緊急事態宣言が解除され、イベントやコンサートなどでの収容人数が緩和されるが、コロナ前の水準には程遠く、同社は「展示会やコンサート開催には、運営・設営から多くの作業が必要であり、長引くコロナ禍による疲弊は周辺の関係先にも波及している。状況に合わせた画一的でない支援策が求められる」と分析している。