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2021年8月31日

7月の有効求人倍率は1.15倍、求職者が減少

n210831_0.png 厚生労働省が31日発表した7月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の1.15倍となり、2カ月連続で上昇した。求人倍率は昨年9、10月の1.04倍を底に徐々に上昇した後、年明け1月以降は1.09~1.10倍と一進一退の動きで推移。6月からは、さらに上昇基調が続いている。

 有効求人数は同1.5%増、有効求職者数は同0.5%減となった。6月と同様に、求職者の減少は感染者の急増やワクチン接種で求職活動を中断した人が多かったためと推測され、それが求人倍率の上昇につながった可能性が高い。都道府県別(就業地別)では前月と同様に福井県の1.95倍が最高で、最低は沖縄県の0.84倍。新型コロナウイルスの感染者が多い東京都、大阪府など6都府県で1倍を下回っている。

 先行指標となる新規求人倍率は1.98倍で前月比0.10ポイント下回った。新規求人数(原数値)は前年同月比8.3%増となり、4カ月連続で前年を上回った。業種別では製造業の同40.8%増、その他サービス業の同11.5%増、運輸・郵便業の同10.6%増などで大きく増えた一方、宿泊・飲食サービス業は同0.9%減、教育・学習支援業も同0.4%減の減少が続いている。

 また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月と同じ0.94倍だった。

7月完全失業率は2.8%、休業者再び200万台

 総務省が31日発表した7月の就業者数は6711万人で、前年同月比56万人増、4カ月連続の増加となった。完全失業者は191万人と同6万人の減少で、18カ月ぶりに減少した。

 この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント低下の2.8%となった。5月に3%台に上昇していたが、6、7月と2カ月連続で2%台に下がった。男女別では男性が3.1%、女性が2.4%で、男性は前月と同じ、女性は同0.3ポイント減の大幅改善だった。

 形態別雇用者数では役員を除く雇用者5656万人のうち、正社員は3594万人で前年同月より16万人増え、非正規社員も2062万人で同19万人増えた。正規は14カ月連続、非正規は4カ月連続の増加。非正規率は前月比0.2ポイント低下の36.5%だった。

 非正規の内訳はパートが1018万人(同23万人増)、アルバイトが441万人(同1万人増)、派遣社員が137万人(同12万人増)と増えた一方、契約社員が274万人(同3万人減)、嘱託社員が110万人(同6万人減)と減少した。

 また、7月の休業者は212万人で再び200万人台に乗った。前月比30万人増、前年同月比8万人減となり、対面型サービス業を中心に依然として不安定な就労環境にあることがうかがわれる。

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