厚生労働省は20日、長時間労働が疑われる事業所に対する2020年度の労働基準監督署の年間監督指導結果を発表した。それによると、対象になった2万4042事業所のうち、37.0%にあたる8904事業所で違法な時間外労働を確認、是正・改善を指導した。
違法事業所のうち、月80時間を超える時間外・休日労働をさせていたのは2982事業所あり、そのうち月100時間を超えていたのが1878事業所あった。月200時間を超えていた所も93事業所あった。
時間外労働のほかには、賃金の不払い残業が1551事業所、過重労働に対する健康確保措置を実施していなかった所が4628事業所あった。業種別では「商業」が監督指導で6412事業所、法令違反で4657事業所と最も多かった。
20年度は新型コロナウイルスの感染拡大もあって監督・指導件数は前年度より9000件近く減少したことなどから、違反件数なども大幅に減少している。