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2021年7月30日

原則通り2020年(度)統計を活用、派遣法「労使協定方式」の一般賃金水準 「例外的対応」は継続せず

 厚生労働省は30日、派遣元が「労使協定方式」を採用する際に用いる来年度適用分の一般賃金水準について、「原則通り、直近の令和2(2020)年(度)の統計調査等を用いる」との方針を示した。雇用の維持・確保の観点から昨年設けた「例外的対応」は継続しない。同日開かれた労働政策審議会労働力需給制度部会(山川隆一部会長)に諮り、労使の了承を得た=写真。近く局長通達として発令される見通しだ。

n210730.jpg 厚労省は昨年、「新型コロナウイルス感染症拡大が経済と雇用に与える影響を見極めたい」として、多面的な角度から運用のあり方を検討。その結果、「原則として直近の統計調査を用いる」とする一方で、職種・地域ごとに一定の要件を満たし、労使で合意した場合に限り、「今年度適用している水準を用いることも可能」とする例外的対応も示した。これに対して今年は、(1)20年(度)の統計調査には新型コロナの影響が反映されている、(2)直近の派遣労働者の雇用者数(今年4~5月)は前年同月、前々年同月ともに増加――を理由に、「原則通り適用。例外的対応は設けない」とした。

 いわゆる「同一労働同一賃金」に伴う20年4月施行の改正労働者派遣法は、派遣労働者の賃金や待遇について「派遣先均等・均衡」か「派遣元の労使協定」のいずれかの待遇決定方式を義務化した。この選択制2方式のうち、「労使協定方式」を選んだ場合には、局長通達の一般賃金水準より同等以上であることが要件。施行2年目の現在運用されている水準は、コロナ禍前の「2019年賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金」(賃構統計)と、「2019年度職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額」(ハロワ統計)の2種類が基になっている。毎年7月をメドに来年度適用分の局長通達が公表される仕組みだ。

 来年度適用分は、20年の賃構統計と20年度のハロワ統計が基となり、一般賃金水準に用いる各指数も更新される。通勤手当は「(時給換算)74円から71円」、退職金割合は「6%で変更なし」などが示された。この日の需給部会では...


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