厚生労働省の有識者会議「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」(鎌田耕一座長)は13日、第17回会合を開き、半年間にわたる議論を踏まえて報告書を取りまとめた=写真。この中で、求人メディアの「新形態」と多種多様な「雇用仲介サービス」の法的位置づけの明確化や、労働市場の実態把握と効果的な雇用対策に向けた公的機関と民間人材サービスの連携強化などを提言した。報告書を「たたき台」に、今秋から労働政策審議会労働力需給制度部会の場で、職業安定法改正に向けた労使の議論が始まる。
1月6日にスタートした同研究会は、月3回のハイペースで精力的に会合を重ね、現状の課題を掘り下げながら次代を見据えた「雇用仲介」の整備のあり方などを検討。後半の5月以降は「基本的な考え方」を示したうえで、(1)労働市場の整備として①雇用仲介サービスの法的位置づけ、②公共の役割、③新しいサービスの把握、④職業情報・募集情報等の共通フォーマットの整備。(2)雇用仲介サービスを取り扱う情報として①情報の的確性、②個人情報等の保護。(3)雇用仲介サービスの役割・仕事を探す者の保護等として①雇用仲介サービスの役割、②仕事を探す者の保護、③業界団体の役割、④雇用以外の仲介――に論点整理して議論を展開してきた。
報告書では、「急速に進化・多様化する雇用仲介サービスの実態把握とルールの必要性」「新型コロナに直面して労働市場における官民の持つ情報共有や連携の重要性」が明記された。
一連の議論の中では、求人メディアの「新形態サービス」と許可事業である職業紹介との境界線で、双方が対等の立場で競争できる同一の条件整備(イコールフッティング)のあり方が焦点となっていた。また、人材サービスにおける「業界団体の役割」についても、その"書きぶり"に関心が集まっていた。
同研究会の最終回となるこの日は...
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