厚生労働省が6日発表した毎月勤労統計の5月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は27万3777円(前年同月比1.9%増)で、3カ月連続のプラスとなった。昨年4月から今年2月まで11カ月連続でマイナスが続いていた。実質賃金指数(2015年=100)も85.0(同2.0%増)で4カ月連続のプラスとなった。
就労形態別では、前月と同様に正社員が中心の一般労働者が同2.0%増、パートタイム労働者も同3.1%増とどちらも増えた。特に、残業代などの所定外給与が各同21.5%増、同12.0%増と増えたが、昨年5、6月は緊急事態宣言の影響で25%前後減少しており、その反動増。しかし、コロナ前の水準にはまだ戻っていない。
産業別では、「電気・ガス業」の同6.2%減、「学術研究」の同1.8%減、「複合サービス業」の同0.9%減を除き、それ以外の産業でプラスとなった。コロナ禍に直撃された「飲食サービス業」は同2.0%増、「生活関連サービス業」も同5.1%増となった。
月間総実労働時間は130.0時間(同6.8%増)で、3カ月連続のプラス。常用雇用者は5191.7万人で、パートタイム比率は30.67%(同0.43ポイント増)となった。