厚生労働省が24日発表した5月の労働経済動向調査によると、労働者の過不足状況判断DI(「不足」の割合から「過剰」の割合を引いた数値)は、正社員が28ポイントで2月の前期調査から1ポイント上昇した。40四半期連続の「不足」が続いているが、伸びはわずかにとどまっている。
業種別では前回と同様に、建設が49ポイント(同2ポイント増)で最も高く、新型コロナ対策に追われる医療・福祉が46ポイント(同3ポイント減)で続いている。営業自粛要請が長期化している宿泊・飲食サービスは9ポイント(前回マイナス1ポイント)となり、不足が過剰を上回った。
パートタイムも20ポイント(同1ポイント増)となった。卸・小売りが28ポイント(同1ポイント増)、生活関連サービスも28ポイント(同5ポイント増)に上昇し、宿泊・飲食サービスも26ポイント(同21ポイント増)と急上昇した。医療・福祉は21ポイント(同9ポイント減)で緩和の兆候がみられた。
雇用調整(残業規制、希望退職募集、解雇など)の実施については、昨年4~6月期の49%をピークに徐々に下がっており、7~9月期は44%、10~12月期は34%、今年1~3月期は33%だった。4~6月期の予定は30%、7~9月期は22%となっている。
調査は四半期ごとに実施し、今回は30人以上の正社員がいる5835事業所を対象に実施、2761事業所から有効回答を得た(回答率47.3%)。