日本人材派遣協会(JASSA・田﨑博道会長)は25日、オンライン形式で2021年度定時総会を開き、新型コロナウイルス感染症への対応として、「派遣社員および従業員の雇用維持と保護」、「最新情報の提供と実務支援」を事業の柱に各種活動を展開していくことを確認した。
総会では、田﨑会長らが報告した20年度事業報告と決算を満場一致で承認。21年度事業では、中核事業推進の具体策として、コンプライアンス支援の「労働関連法令セミナー」「JASSAリーガルテスト」、キャリア形成支援関連事業の「JASSAキャリアカレッジ」「キャリアカウンセリングスキルアップセミナー」「メンタルヘルス推進セミナー」などを拡充するとともに、オンライン開催の機能をさらに高める方針だ。
加えて、派遣元責任者講習についても、「安全に受講できるよう会場での十分な感染対策の実施」「学習効果向上につながるオンライン開催の検討・実施」を推し進め、コロナ禍に対応した派遣社員と事業者の支援に注力する。
この日は、一部理事・監事の交代があり、理事では水田正道氏(パーソルホールディングス会長)の退任に伴い、木村和成氏(パーソルテンプスタッフ社長)が新理事に就任。監事は、秋末哲氏(アヴァンティスタッフ社長)に代わり、吉田英治氏(同社顧問)が就いた。
総会後の特別セミナーでは、厚生労働省需給調整事業課の堀泰雄・派遣・請負労働企画官が「労働行政の最新動向について」と題してオンライン講演した。堀氏は、労働者派遣法の2012年、15年改正に関する労働政策審議会の「点検・見直し作業」について、昨年7月に労政審が取りまとめた「中間報告」に基づいて改正した厚労省令・指針などの概要と狙いを説明。
また、この4月から施行されたへき地への看護師等の派遣や社会福祉・介護施設への看護師の日雇い派遣の解禁に触れ、留意点を解説した。最後に、新形態の求人メディアの台頭とそれらへの対応、さらには人材サービス事業や業界団体の役割などをテーマに、現在、有識者会議で議論している内容と要所を紹介した。
【関連記事】
派遣協と連合、「安心して働ける社会構築」で共同宣言
ウィズ/アフター・コロナ時代の働き方を確立へ(3月16日)