厚生労働省の有識者会議「労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会」(鎌田耕一座長)は25日、第13回会合を開き、今夏の報告書策定を視野に具体的な論点について本格議論を開始=写真。前回(5月11日)会合で委員が概ね了承した厚労省提示の「議論の整理案」に沿って検討を進めた。この日は、求人メディアの「新形態サービス」などに対する一定の法的整理や、職業紹介に近いオプションを持つ募集情報提供に対する法的位置づけの必要性などで一致。次回以降は、労働市場で雇用仲介サービスを展開する事業者が守るべきルールの明確化、一定の基準を満たす事業者の「認定制度」のあり方なども検討していく見通しだ。
来年の通常国会に提出予定の職業安定法改正案につながる同研究会の議論は、今年1月からスタート。月3回程度のハイペースで精力的に会合を重ね、現状の実態把握と同時に課題を浮き彫りにして、その打開策を探っている。
この日は、議論の土台となる「基本的な考え方」として、(1)ハローワークや職業紹介事業者に加えて、求人メディアや新たな雇用仲介サービスを含め、労働市場の全体像を把握し、雇用対策を行っていくことが重要(2)求職者や潜在的な求職者など、働く意欲を持つ方の立場に立って雇用仲介サービスを行う者が守るべきルールを整備、(3)IT技術を駆使してマッチング機能を高めている新たな雇用仲介サービスについて、労働市場において果たしている一定の役割を評価し、イノベーションを阻害しないことに留意しつつ、ユーザーが安心して利用できる環境を整備――を挙げ、委員が同意した。
次回以降の論点の深掘りを前に、職業紹介や委託募集、求人メディア、人材データベース、求人情報を集約化するアグリゲーター、SNS、スポットマッチング、クラウドソーシングなどの「人材サービスの類型」をはじめ、新しいサービスの把握の必要性をテーマに委員による闊達な"自由討議"が繰り広げられた。議論の中では、「新形態サービスの機能と性質の把握」「リコメンドの受益者と功罪」「優良な事業者の認定と基準」などをキーワードに、現状の課題の核心を突く意見や提言が相次いだ。
今後の議論の焦点は...
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