ニュース記事一覧へ

2021年4月30日

昨年の労災死者は過去最少、死傷者は最多 コロナ労災は6000人、厚労省

 厚生労働省が30日発表した2020年の労働災害発生状況によると、死者数は802人(前年比43人、5.1%減)と3年連続で過去最少となったが、休業4日以上の死傷者数は13万1156人(同5545人、4.4%増)に増え、02年以降の最多を記録した。このうち、新型コロナウイルスの罹患による労災は6041人だった。

 死者で最も多かった業種は建設業の258人(同11人減)で、次いで第3次産業の225人(同15人減)、製造業の136人(同5人減)。死傷者では第3次産業が6万6959人(同6751人、11.2%増)の2ケタ増となった。次いで製造業の2万5675人(同1198人、4.5%減)、陸上貨物運送業の1万5815人(同433人、2.8%増)、建設業の1万4977人(同206人、1.4%減)で、トラック運転手らの労災が増えた。

 事故の類型別では、死者が「墜落、転落」が191人、「交通事故」が164人、「はさまれ、巻き込まれ」が126人の順。死傷者では「転倒」の3万929人、「墜落・転落」の2万977人、「動作の反動、無理な動作」の1万9121人の順だった。

 死傷者を年齢別にみると、「60歳以上」が3万4928人(同1213人、3.6%増)で最も多く、次いで「50~59歳」の3万2120人(同1826人、6.0%増)。この年代層だけで過半数を超えており、高齢者の事故防止対策が重大な課題となっている。

 一方、派遣労働者の死者は8人(同7人減)と14年以降初の1ケタに減少し、死傷者も5307人(同604人、10.2%減)となった。また、外国人労働者の死者は30人(同9人増)、死傷者も4682人(同754人、19.2%増)と大きく増えた。


【関連記事】
昨年の死者は845人、2年連続の最少
死傷者は微減、厚労省の労災発生状況(2020年5月27日)

PAGETOP