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2021年4月30日

3月の有効求人倍率は1.10倍に上昇

n210430.png 厚生労働省が30日発表した3月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.01ポイント上昇の1.10倍となった。求人倍率は昨年9、10月の1.04倍を底に徐々に上昇しており、年明けの1月に入ってから回復テンポを早めつつある。

 有効求人数は同1.6%増、有効求職者数も同0.4%増となり、1月からの第2次緊急事態宣言の影響はみられなかった。都道府県別(就業地別)では前月と同様に福井県の1.70倍が最高で、最低は沖縄県の0.76倍。新型コロナウイルスの感染者が多い東京都、大阪府など9都道府県で1倍を下回っている。

 先行指標となる新規求人倍率は1.99倍で前月比0.11ポイント上回った。新規求人数(原数値)は前年同月比0.7%減で、2月の同14.6%減からは減少幅が縮小した。業種別では建設の同16.3%増、製造業の同8.5%増、その他サービス業の同7.0%増などで増えた。これに対して、生活関連サービス・娯楽業が同14.8%減、卸・小売業が同12.6%減、情報通信が同11.0%減など減少が続いているが、減少幅は縮小している。

 また、正社員の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント上昇の0.84倍となった。

 この結果、2020年度の年間有効求人倍率は1.10倍(前年度比0.45ポイント低下)となった。倍率の低下は2年連続で、14年度の1.11倍と同水準に。0.45ポイントという下げ幅は、第1次石油ショックの影響で同0.76ポイント低下した74年度に次ぐもので、コロナ禍の影響が鮮明に出た。有効求人は同22.3%減、有効求職者は同9.8%増だった。

3月完全失業率は2.6%に大幅低下、休業者は依然200万人台

 総務省が30日発表した3月の就業者数は6649万人で、前年同月比51万人減、12カ月連続の減少となった。完全失業者は188万人と同12万人の増加で、14カ月連続の増加となった。

 この結果、完全失業率(季節調整値)は前月比0.3ポイント低下の2.6%と昨年4月並みの水準となった。男女別では男性が2.8%、女性が2.4%で、男性は前月から0.3ポイント低下、女性も同0.4ポイント低下した。

 形態別雇用者数では役員を除く雇用者5614万人のうち、正社員は3560万人で前年同月より54万人増えた一方、非正規社員は2054万人で同96万人の大幅減。正規は10カ月連続増、非正規は13カ月連続減となっている。非正規率は前月と同じ36.6%となった。

 非正規で大きく減っているのはパートの1026万人(同29万人減)とアルバイトの439万人(同22万人減)で、派遣社員が136万人(同8万人減)、契約社員が262万人(同17万人減)、嘱託社員が114万人(同11万人減)と軒並み減少した。

 また、3月の休業者は220万人で前月比8万人減、前年同月比29万人減だったが、4カ月連続でまだ200万人を超えている。

 この結果、20年度平均では就業者が6664万人(前年度比69万人減)、完全失業者は198万人(同36万人増)で、完全失業率は2.9%(同0.6ポイント上昇)となった。09年度以来、11年ぶりに悪化した。休業者も261万人(同80万人増)となった。就業者はコロナ禍に直撃された宿泊・飲食サービス業、製造業、卸・小売業で大きく減少した。

 また、雇用されている労働者のうち、正社員は3549万人(同33万人増)、非正規社員は2066万人(同97万人減)。正社員では女性が1208万人(同36万人増)、非正規社員では女性が1407万人(同65万人減)となったのが目立ち、女性の場合は非正規社員の正社員化と失業者入りに二分されたことが推定される。

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