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2021年4月20日

コロナ禍で非正規など25%が収入減 兼業・副業で補填、ニッセイ基礎研調査

 ニッセイ基礎研が20日発表した「コロナ禍1年の仕事の変化」調査によると、コロナ禍で転職・失業した人は4%弱と少ないものの、収入面では自営業、非正規、サービス業を中心に約4分の1が減少し、その分を兼業・副業でカバーしている人の多いことがわかった。調査は3月26~29日、全国の20~69歳の男女2070人から有効回答を得た。

 収入について昨年1月と今年3月の状況を聞いたところ、「変わらない」が68.6%で最も多かったが、「減った」が14.8%、「やや減った」が10.0%あり、合わせて24.8%。逆に、「増えた、やや増えた」人は6.6%だった。

 減った人は男性の40~50代で、就労形態は嘱託、派遣、契約、パート、アルバイト、自営業・自由業といった非正規が多く、自営業は約半数、非正規は約3割、サービス業従事者は4割前後が収入減に見舞われた。業種では運輸・郵便、飲食サービス、生活関連サービスなどが多かった。

 一方、兼業・副業を現在している人は14.7%程度だが、している人の25.3%が「コロナ禍で収入が減ったため」、18.1%が「コロナ禍で時間ができたため」と回答。前者は自営業やサービス業の非正規社員に多く、後者はテレワークなどで自由時間の増えた管理職以外の正社員に多かった。

 同社では「兼業・副業はネット経由のギグワーカーが増えたためとみられ、目先の収入維持にはつながるが、労働者保護の仕組みからはずれる部分もある」として、「ギグワーカーを守るインフラ整備を進めることで、デジタルを土台にした労働市場が成長する」と予測している。

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